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上手くやりせたと

上手くやりせたと、報春院は満ち足りたように微笑んだ。 「 … 時に、祖母上様」 「何です?」 「私のことは、どこまで皆様に伝わっているのでございましょう? 慈徳院殿は私が母上様ではない事に、お気付きではないご様子にございましたが」 胡蝶が訊くと、報春院は「ご案じあるな」と笑みを絶やさずに告げた。 「側室らは誰も、そなたが信長殿の嫡女じゃとは知らぬ。まことにお濃殿じゃと思うておりまする」 「では、慈徳院様が知っておられるのは “ 例の件 ” だけ?」 報春院は伏し目がちに頷いた。 「あの秘密を墓場まで持っていって下さるお方は、慈徳院殿だけであろうからな」...

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がりだったのか…、儂の考えが間違っていたのか…

がりだったのか…、儂の考えが間違っていたのか…。……誰か教えてくれ 』 目頭に置いた手のひらの下で、光秀は満面を悲痛に歪めた。 親族や家臣たちの為にも、今は自分が一番しっかりしなければならない時であることは理解していたが、 信長の首もなく、確かな味方もなく、朝廷からの支持も得られない有り様で、いったいどうすれば良いというのか。 一向に好転する気配のない今の状況に、光秀の揺るぎなかった決意は早くも崩れ始めようとしていた。 光秀が心労を重ねていた、まさにその頃 「急げー!急ぐのじゃー!!」 「 一時足りとも馬を休ませるでないぞー!!」...

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「そうではない。

「そうではない。何もは天下人になりとうて、信長様を討ったのではない。日の本のみならず、 明や朝鮮へも戦火を広げようとなさる、あのお方の愚行をおめする為の、苦肉の策であった」 「よう存じ上げておりまする」 秀満は端然と頭を垂れる。 「故に儂は、長らくこの座に留まるつもりはない。儂の天下など、せいぜい百日。いや、五十日あれば良い方じゃ」 「五十日とは…。ならばその後は、どうなさるおつもりで?」 行政が訊くと 「天下は我が子・十五郎(明智)か、https://plaza.rakuten.co.jp/mathewanderson/diary/202409270000/...

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が、姫の心の中であぶくのように湧き

が、姫の心の中であぶくのように湧き、今にも溢れ出しそうだった。 どうして、何故こんなことになってしまったのか? あと一日 謀反が起きるのが遅れていれば … 。 あと一日早く、都に着いていれば、信忠に会うことが出来たのに。https://carinacyril786.pixnet.net/blog/post/163331044 https://carinacyril786.e-monsite.com/blog/--15.html https://www.evernote.com/shard/s729/sh/bd8f14a0-805c-fa1d-18e9-46a66c51dce2/tgepurh8r55nwjNYvZM9mEqDT0T4DeZXJvvW5hHrm-wt2ug1JEmln6cG6A...

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「……まこと…なのですか?」

「 …… まこと … なのですか?」 松姫は震えを帯びた声で伺った。 「まことに … 、信忠様は … 」 その悲しみの溢れる問いに、与次も深刻そうに首を前に振る。https://plaza.rakuten.co.jp/carinacyril786/diary/202409270000/ https://blog.goo.ne.jp/debsy/e/e57db139eab0c751598c38da165214e0 https://freelance1.hatenablog.com/entry/2024/10/09/185533?_gl=1*6r4v4x*_gcl_au*MTY1Nzk5NjI1Ni4xNzI3NDMyMzI5...

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「そなたたちも、早よう外へ逃げなさい」

「そなたたちも、早よう外へ逃げなさい」 背後の物陰に隠れていた齋と古沍に、優しく告げた。 「そんな!御台様を置いて逃げるような真似は、私には出来ませぬ!」 古沍は言うが、濃姫は「ならぬ」とする。 「私も主人として、そなたたちを危険に巻き込むような真似は出来ませぬ。これ以上 明智勢が攻め込まぬ内に、ここから逃げるのじゃ」 「しかし!」 古沍が食い下がろうとした時、「放てぇー!」という甲高い声が明智勢から上がった。 https://johnsmith123.pixnet.net/blog/post/163331494...

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れになった坊丸の身を

れになった坊丸の身を、柱の影に引きり込んだ。 「しっかり致せ!坊丸!坊丸ー!」 兄の腕の中で、坊丸は力なく薄目を開くと 「 … ぅ … 上様を … 、お守り … 」 最後まで言い切らぬ内に、すっと生き絶えた。https://plaza.rakuten.co.jp/johnsmith786/diary/202409270000/ https://blog.goo.ne.jp/debsy/e/9b5cf8f015c00fabdcc6b0045a1bdd10 https://freelance1.hatenablog.com/entry/2024/09/30/195855?_gl=1*1j4ap3t*_gcl_au*MTY1Nzk5NjI1Ni4xNzI3NDMyMzI5...

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いだ。 雲一つない藍色の空で

いだ。 雲一つない藍色の空で、金泥をといたような厳かな月が、柔らかい光を放っている。 「そなたと月見を致すのは久しぶりのことじゃ。…美しいのう」 「ええ、ほんに」 「此度は思いの、良き一日であったぞ」 「それはよろしゅうございました」 「そなたが急に払いをした時はひやりとしたがな」 濃姫はあっとなって夫の横顔を見やった。 「あれは上様が、島井殿に対して無理を申される故……」 「いや、もう良いのじゃ。 酒宴の席に着く頃には、儂もすっかり舞い上がってしもうて、のことなど忘れておった故な」 信長は空を見上げたまま可笑しそうに言った。...

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「なれど、私にとっての何よりの土産は

「なれど、私にとっての何よりの土産は、蘭丸様が道中ご無事で、何事もなくこの安土の城へお戻り下さること──。それを、お忘れ下さいますな」 相手の目をしかと見据え、な口調で告げた。 蘭丸も笑顔でそれに応える。 「ご安心下さいませ。此度は出陣と申しても、戦闘は羽柴様や援軍の明智様方にお任せになられ、 上様はその首尾を見届けに参るだけにございます故、上様のお側におわす某に、大事など起ころうはずがございませぬ」 笑ってかぶりを振る蘭丸に、胡蝶は「左様にございましたか」と、得心したように頷いた。 「備中へ向かう途上で茶会をすとは、えらく悠長なご出陣だと思うておりましたが…、そういうご事情にございましたか」...

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めておいても、意味の無いことでございます故」

めておいても、意味の無いことでございます故」 そう言って、満面に浮かぶ笑みを尚一層深めると 「ただし、間違ってもこの事は他言致しませぬよう、お願申し上げます。ご自分の身が、大事とお思いされるのであれば」 「…!」 「失礼致しまする」 に頭を下げて、光秀はその場から去って行った。 紹巴は陰鬱たる思いで、遠ざかってゆく光秀の背中を見送ると、ふとらの窓に目を向けた。 格子越しに、厚い雲の隙間から薄日が射す、雨上がりの空が見える。 先程までは、しとしとと絶え間もなく雨音が聞こえていたのに、いつの間に上がってしまったのだろう。...

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