れになった坊丸の身を、柱の影に引きり込んだ。
「しっかり致せ!坊丸!坊丸ー!」
兄の腕の中で、坊丸は力なく薄目を開くと
「…ぅ…上様を…、お守り…」
最後まで言い切らぬ内に、すっと生き絶えた。https://plaza.rakuten.co.jp/johnsmith786/diary/202409270000/ https://blog.goo.ne.jp/debsy/e/9b5cf8f015c00fabdcc6b0045a1bdd10 https://freelance1.hatenablog.com/entry/2024/09/30/195855?_gl=1*1j4ap3t*_gcl_au*MTY1Nzk5NjI1Ni4xNzI3NDMyMzI5
蘭丸は弟の遺骸を抱き締め、の涙を流すと
「おのれぇー!!」
弟の遺志を果たそうとするかの如く、信長を狙って襲いかかって来る明智勢へ、容赦なく斬りかかっていった。
信長も休まず矢を放ち続け、遠近の明智勢を払っていったが
「くそ!またかっ」
時が経つとやはり弦が切れてしまう。
「これでは間に合わぬ! …誰ぞ、じゃ!槍を持て!」
信長が叫ぶと、まるで見計らったかのように、槍の柄が彼の前に差し出された。
信長はそれを掴もうとして視線を下げるなり、わっと両眼を広げた。
「お濃…! そなた、かような所で何をしておる!?」
小腰をを差し出す妻の姿を、信長は一驚の表情で見つめる。
「私も致しまする」
「何!?」
よく見ると濃姫は、の袖をたすき掛けにして、横にはを備えている。
「馬鹿を申すな! が出る幕ではないわ!危険じゃ、下がっておれ!」
「いいえ下がりませぬ! 私は織田信長の正室にして、美濃の・斎藤道三の娘。敵を前にして逃げ出すような、臆病者ではございませぬ!」
「じゃがそなたの腕では──」
「やあああぁー!!」
と言っている側から、敵勢の一人が信長に向かって斬りかかって来た。
濃姫はサッとを返すと、相手の太刀を薙刀の柄で受け止め、
そのまま斜め上に先を振り上げて、勢いよく振り下ろした。
濃姫の目の前で血しぶきが飛び、敵がドッと音を立てて倒れた。
信長は意外そうな顔をして妻を見据える。
「お忘れですか? 薙刀だけは、てより腕を磨き続けていたのですよ。昔よりもずっと上手く……」
笑んで告げていた濃姫のに、急に激しい震えが走った。
仕方がないとは言え、初めて人を殺めたのだ。
衝撃で気が遠くなり、一瞬 後ろ背に倒れそうになってしまう。
慌てて信長は妻の腕を掴んで、自分の方へ引き寄せた。
「お濃!しかと致せ! …濃ッ!」
信長の呼びかけに、濃姫はすぐに意識を取り戻し「…上様」と、力なく目前の夫を見据えた。
「ほれ見よ、そなたには無理じゃ!奥へ下がるのだ!」
すると濃姫は、カッと目を見開いて
「い…いいえ!大丈夫にございます!」
信長の腕から離れて、薙刀をえた。
「──ゔっ!」
その頃 信長は、敵兵の突いたによって、肘を負傷していた。
蘭丸はすぐさま敵兵を斬り払い、濃姫は慌てて信長の側に走り寄る。
「上様!大丈夫にございますか!?」
「…ああ、大事ない。…それよりも傷を」
「はい、只今!」
濃姫は自分の寝衣の裾を引き裂くと、それ包帯代わりに、信長の肘にぐるぐると巻き付けた。
信長は再び槍を手にし、戦おうとするが
「─ッ!」
傷が深かったのか、負傷した肘に激痛が走り、思うように槍を扱えなかった。
「くそ!かような時に!!」
思わずよろめく信長を
「──きゃ!上様!」
と、側に付き従っていた信長付きの侍女たちが支えた。
彼女たちを見るなり、信長は目をいて
「何じゃ、その方らまだおったのか…。 たちはもう良い!全員 外へ避難するのじゃ!」
と、早々に侍女たちを寺から逃がした。
濃姫も薙刀を下ろし、後ろを振り返ると