恐らく、移動中に年が明けるのだろう。 美海の他に数人の隊士がいる。 宿ではやはり美海だけ別室。なんてことはできず、平隊士達と雑魚寝だったのだが、美海はちゃんと学習している。 性別がバレることはなかった。 今回も芹沢が編み出した腹痛作戦でその場を乗り切った。 土方達は宿に金を払って帰路に向かう。 やっぱこの山越えなきゃ駄目かぁ。 美海は山の入り口に入るとげんなりした顔つきになる。 といっても行きも休憩なしに進めたし、体力は前よりついたようだ。 ぼーっと新撰組で過ごしていた訳ではない。 ガサッガサガサ… 落ち葉が多く、足元が不安定だ。 「よし!今日はここで寝る!これ以上は暗いし危険だ!」 土方の一声で皆寝床を作り出す。 え!?野宿?野宿とかしちゃうの!? しばらく無言で歩いていたのだが、山の中腹辺りで暗くなり始めた。冬は日が落ちるのが早い。確かに進むのも危ないが、野宿となると。 「嫌だな…」 美海はポツリと呟いた。 芹沢達と来た時は日も長く、朝早くに出たためなんとか1日で山を越えた。 そりゃ良い経験になるけど…。 美海も仕方なく寝袋を出す。 土方は寝袋なしで、木にもたれ、座っている。 グー… ガー--! 直ぐに隊士達のいびきが聞こえてきたのだが、相変わらずうるさい。 つーか寒っ! 12月に山で野宿。殺す気か。 駄目だ。寝れない。 ガサ… ガサガサ 美海は寝袋から出て、土方の隣に座り込んだ。寝袋を毛布のようにくるむ。 あ。オリオン座。 星が綺麗だなぁ。 空を見上げると、漆黒の空に綺麗に星が映っている。 「はぁー…」 息を手に掛けると、白く息が染まった。 「なんだ?寝れないのか?」 「ぅわぁ!土方さん起きてたんですか?」 「あぁ」 土方は目を瞑っていたため、てっきり寝ているものだと思っていた。 「野宿とか初めてですし、なんか寝れなくて……」 「あっちではしないのか?」 土方は目を開けた。 彼の言うあっちとは現代のことだ。 https://plaza.rakuten.co.jp/mathewanderson/diary/202411160000/ https://blog.goo.ne.jp/debsy/e/ccad6bce3313cc97802b6b246bb6939b https://freelance1.hatenablog.com/entry/2024/11/16/173243?_gl=1*1tjj7oa*_gcl_au*LTPe21veLZJBRJPdfAmRozqD1N1yu8xRDZ. 「そんなことしませんよ!たまに段ボールを寝床にしている人もいますが」 「段ボール?」 「紙を重ねたものです。」 「ふーん」 土方は特別興味があるわけではないようだ。 「星が綺麗ですよ。一句作ったらどうですか」 ニッと美海は笑う。 「はっ!作らねぇよ」 土方はふと美海を見る。 美海はカタカタと小刻みに震えていた。 「寒いのか?」 美海は目を見開くと口を大きく開いた。 「寒いですよ!そりゃ!」 最もだ。誰が好んで真冬に野宿などするのだ。 フワッ 「これ着とけ」 土方は美海にいつもの着流しを掛けた。 「いやいや!これじゃ土方さんが寒いじゃないですか!後から恨まれそうだからいいですよ!」 …こいつ……!人の親切を! 「だぁ!もういいんだよ!俺は男だ。お前の方が風邪引きやすいだろ!」 美海はムッとするが、着流しを持って土方にくっついた。 「なななななんだ!?」 土方は構える。 「何って。くっついてた方があったまるじゃないですか。はい。これ二人で半分こしましょう」 美海は土方と着流しを半分ずつ掛けた。 くっついているところからお互いの体温でジワリジワリと温かくなる。 おいおいおい! こんなとこ総司に見られてみろ!…斬られる! 「おい。美海。あのさぁ…」 コツン チラリと美海を見ると規則正しい寝息をたてていた。 頭は土方の肩に乗っている。 「はぁ…」 寝れなかったんじゃねぇのかよ…。 あったけぇなぁ。仕方ねぇ。このままにしとくか。 結局土方は美海の頭を肩に乗せたまま体勢を変えれず起きたままだった。 ピーチチチチチ チュンチュン! 朝になった。 土方がふと意識を手放した隙にいつの間にか美海の頭は土方の足の上だった。