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をして」

をして」  コーヒーをすすりつつ、副長が尋ねてきた。  みんな、パウンドケーキを頬張っている。 「主計さん、いらないの?」 「いるよ、いる。絶品だからね。鉄、おれの分を半分くれ。残りは銀とわけっこするといい」  市村がおれの分のパウンドケーキを持ってきてくれた。  本来なら、全部やるよというのが大人だろう。  が、強欲でお子ちゃまなおれは、すこしだけでも喰いたい。よって、半分に妥協をした。  その半分を二口で喰ってから、やっとさきほどの副長の問いに応じた。 「すみません。なんでもないのです。鉄のことやその他もろもろのことをかんがえていただけです」  心を無にすることを忘れない。 「ほう……」  副長は、植髮 それだけしか答えなかった。 「これから、どの方面も戦いが激化します。こうして集まってゆっくり話ができるのも、これが最後かもしれませんね」  話題をかえてみた。  この面子でこれだけゆっくり話ができるのは、マジでこれが最後かもしれない。 「ああ、そうだな。そうだ。主計、景気づけになにかやれ」 「はい?宴会芸的なものですか?」  いきなり振られてもなぁ。 「近藤局長の芸って、すごかったよね」 「ほんとほんと。近藤局長の口っておおきかったもん」  市村と田村がいいだした。  そういえば、近藤局長は口がムダにでかかった。  拳が入るほどである。  それをよく呑み会で披露していたという、エピソードが残っている。  たしかに、なかなかインパクトがある一発芸である。  だが、残念ながらおれの口はそれほどでかくない。 宴会芸といったら、腹踊りとか尻文字とかマジック?  ダメだ。どれもインパクト弱すぎだし、マジックにいたっては道具がないしそもそもやったことがない。  おれってば、いざというときの芸がなにもない。 「大丈夫だよ」  そのとき、俊春が謎断言した。  なにが大丈夫なのかさっぱりわからない。 「きみは、ただだまって立っているだけで面白いから」  はい?  意味がわからない。 「たしかにな。をみるだけで可笑しくなってくる」  副長である。 をみるだけで可笑しいって、それっておかしくないですか? 「だが、見飽きた」  それから、スパッといいきった。 「見飽きたって、仕方がないでしょう。まさか、整形するわけにもいかないですし」 「大丈夫だよ」  つぎは、俊冬が謎断言してきた。 「元の形がわからないようにするくらい、すぐにできる。方法としては、三つある。まずは、お馬さんに蹴ってもらう。つぎは、わんこが二、三発殴る。ラストは、おれがきみをどこかにぶつける」 「ちょっとまてよ。どれもが手術じゃなく物理的にってやつじゃないか」 「だって、タダだよ」 「そういう問題じゃない」 「整形手術だと、道具がないからね。それに、きみのは手術で追いつくかどうか。それこそ、失敗してつぎはぎだらけのになるのがオチだよ」 「にゃんこ、それはそれで面白いよ。もっと面白くなる。で笑えて、経緯をきいて笑える。二度笑えるなんて、おいしすぎる」 「ちょっ……。ぽち、他人事だと思ってなにをいうんだ。やめてくれ。兎に角、で笑かすのはなし。というわけで、おれはなにもできません」 「ちっ!面白くない野郎だな」  副長も俊冬も俊春も面白くなさそうだ。 「役立たずはどこまでいっても役立たずってわけだ。ならばぽちたま、前にみせてくれた剣の形をみせてくれぬか?あれは、何度みても感動ものだ」 「その方がぜったいにいいですよ。おれもみてみたい」  副長の案にすぐにのっかった。  俊冬と俊春にとっては、なかば強制されているようなものであろう。  が、二人はをみあわせただけでとくに拒否するような素振りをみせない。  というわけで、俊冬と俊春が親父の警視流の形を披露してくれることになった。 「二人そろってって、なんか感動だな。そうだ。どちらか「」をつかってくれよ」  俊冬と俊春に提案してみた。  このまえの「いきなり剣術大会」のときのように、断られるかと思いつつ。  が、意外にも俊冬が掌をのばしてきた。 「遠慮なく」  かれは、言葉すくなめにおれの掌から「之定」を受け取った。  ゼロコンマ以下の間、俊春とアイコンタクトをとってしまった。  だが、できるだけ心のなかでなにも思わないようにした。 「ならば、ぽちは「」をつかってくれ。鉄には断られちまったが、いずれにせよ「」は子孫やずっと未来の人々のために手放せねばならぬからな」  副長は、腰から「兼定」を鞘ごと抜いて俊春に差しだした。 「お借りします」  俊春もまた、素直に受け取った。  そのときにも、俊春と。  北辰一刀流や神道無念流や柳生流や示現流など、諸流派を統合した形の数々。  二人はそれにくわえて、

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